令和6年度決算報告:収入増なるも納付金増加に追い付かず厳しい決算となる
2025年07月18日
(1) 一般勘定
令和6年度収支決算は、収支差引額は99,133千円を残しながら、経常収支差
引額1億1,378万円の赤字決算となりました。
収入面は、予算に比して平均被保険者数が664人増加の6,710人、平均標準
報酬月額が9,006円の増加となる255,346円、一般保険料収入は、1,849,961千
円となり124,957 千円の収入増加となったものの、支出面では前期高齢者納付金
が過年度精算分を含む増嵩により、対前年度比で293,313 千円増の大幅な伸び
となり、繰越金204,318千円を投入して収支バランスを保った結果です。
収入増加が納付金の急増に追い付かなかった形となりました。
(2) 介 護 勘 定
収入合計は190,618千円、第2号被保険者一人当たり、74,723円となりました。
支出合計は176,070千円で第2号被保険者一人当たり額は、69,020円となり、対前
年度比で21,436千円の増額となりました。
第2号被保険者数の伸びや平均標準報酬月額の増額により、介護保険収入が対前年
度比で45,479千円程増えました。
収入は伸びたものの、介護納付金が対前年度比71,751千円増となり、繰越金や繰入
金を投入し、設定保険料率を維持し収支差引額14,548千円の残金が計上されました。
(3) 高 齢 者 医 療 関 係 の 拠 出 金 (前年度決算との比較)
令和6年度決算は前年度と比較すると293,292千円増加し、所要財源率に占める
割合は、44.24‰と高まっています。
当健保においては、年間被保険者数の異動増減が激しく概算分と確定分の乖離に
より、精算分における変動が強く働いたため令和6年度前期高齢者納付金が増額し
ています。
前期高齢者納付金には、令和6年度より「3分の1総報酬制」が導入され、また3
ヶ年の医療給付費の平均を算定基準として算定する仕組みが導入されたことから、
制度的には急激な納付金増加リスクが軽減されたにも関わらず、当組合の納付金
額は増加しています。
令和6年度は、政府から採択されたコンソーシアム事業により、プレ前期・前期高
齢者の方へ食生活改善や健康維持増進を促す保健事業を実施しました。
当組合は、高齢加入率(65歳から74歳の加入人数比率)が1%に満たないため、
医療保険者間の財政調整により、高齢者の方の医療給付費が高まると納付金増加
に大きく跳ね返る組合に分類されます。
前期高齢者の方に一日10品目摂取等の食生活を始めとした生活習慣全般の改
善を促すことをメインテーマとして、ヘルスリテラシー向上に結び付け医療費抑制を
図ることが将来的な納付金の増加リスクの芽を摘む良策と言えます。